秋保協便り第94号より

  

〇 目指そう 商売繁盛 質問力が大切(7

 

 

患者さんとの何気ない会話の中にも軽い感じの質問がポンポンと出ている時がありませんか?

患者さんは真剣ですからその質問が軽いか重いかなどわかりません。ですから、患者さんはいい

加減な受け答えはしていないと思います。しかし、その患者さんからの返答を簡単に捨てては

いないでしょうか。治療家としての威厳を保ちたくなるのは重々わかりますが、自分の考えを

崩さないで、自分が正しいと思う中でしか話をしない治療家は要注意です。また、自分の主張する

方向ばかりの質問をして答えの着地点を無理やり決めるのはいかがなものでしょう?

視点の違った別の世界の話に新しい発見があるかもしれません。患者さんの安心する治療院とは

答えた言葉に寄り添ってくれるものだと思うのですが、みなさんはどう思いますか?

ご意見お聞かせください。

 

 

                                  秋保協便り第93号より

 

〇  商売繁盛  質問力が大切(6)

 

私の息子も 接骨院を開業して結構苦しんでいた頃、私の知り合いが患者として何回か施術を受け  

たことがあります。やがてその患者は他の整骨院に行きはじめました。

後でその理由を教えてもらって私も勉強になったのですが、ついつい知らぬ間にやっている事に

原因があったのです。

 

治療家は色々な勉強をして、新しい知識が増えると現場で使いたくなるし話したくなります。

 

大方の話は原因がどこにあるのか、といった犯人捜しになる場合が多いと思います。

 

そして行きつくところは患者さんの日常生活に入り込んでいく訳です。

これは致し方ない事ですが、その患者さん自身の本質まで踏み込んでいく時の質問が重要に

なると思うんです。

 

「いつもこういった姿勢をとっているからこうなった」「いつもこういった物ばかり食べている

からこうなるんだ」といった直接的で本質的な質問が重要だと思い込んでいる時があぶないきが

するのです。

 

その質問が治療家の主張に沿った物であれば、患者さんはその時卑屈な思いにさらされているの

ではないでしょうか。話し方によるのでしょうが非常にデリケートな部分です。

 

「あなたはこの姿勢をとっている時体にどんな負担を感じていますか?」

 

「この食べ物についてはどうおもいますか?」といった、

患者さんの日ごろの経験について質問し、相手の言葉に自分を共鳴させていく。

 

なぜなら、患者さんの本質は治療家の主張にあるのではないからです。

 

全く違う存在である患者さんの心の奥底に響く質問が繰り返されている時「安心感」が生まれ、

やがては長年通ってきてくれる関係になるのではないでしょうか。

  

                               

 

                                   秋保協便り第92号より

 商売繁盛  質問が大事(5)

 

 治りにくい患者さんは常にストレスを抱え、いろいろな事を心配しています。

 

 人は1日6万回も物事を考えているそうです。

 

 そのうちの9割以上が過去の事を悔やみ、未来を案じている。

 

 そんなネガティブな考えを常に持っている人が患者さんと言われる人たちではないかと思います。

 

 そういった沈んだ気持ちの患者さんにどんな質問や言葉をかけてあげたらいいのでしょうか。

 

 皆さんご存じの一休和尚は室町中期の臨済宗の僧侶ですが、自分の遺言状を壺に入れ、弟子には

 「本当に困ったときに見なさい」と言ってこの世を去りました。

 

 やがて、にっちもさっちもいかない事態が起こり、弟子たちはその遺言状を見て、はっと我に帰ったそうです。

 

 その言葉は「心配するな、なんとかなる」だったそうです。

 

 そうなんです。なんとかなるを忘れてしまって、あれこれと妄想の世界に入ったきり出てこない患者さんに

 対応した場合、どんな言葉をかけたらいいのか・・・正解はないと思いますが、

 患者さんの気持ちが楽になるための質問をするしかありません。

 

 ちなみに「一休」という名は、人生といいうのは辛い事や悲しい事が起きるもの。

 そんなときは一休みして時間の過ぎ去るのをただ待つのみ、という意味からきているそうです。

 

 患者さんが楽な気分になれる質問・・・あれをしませんか?これをやってみたらどうですか?

 これはやってみました?といった質問はどうなんでしょうね。

 

 質問された立場に立つと・・キツイですね。

 

 キツイ=不愉快=怖いのが自尊心が傷つく=患者さんは来なくなる。と考えますが皆さんはどう思いますか。

 

 ご意見をお待ちしています。     

                                             

 

                                  秋保協便り第91号より

 商売繁盛  質問が大事(4)

 

  患者さんに質問するという事は、正しい答えを得たいがゆえ非常にでデリケートな領域なります

 ので、そのまま治療家の人となりを伝えることにつながると思います。

 

 患者さんの答えに「へえ~そうなんだ。わかるわかる」愛そうよく合わせるのではなく、

「私はこう考えているんだけど、あなたはそうだったんだね」と自分の中心をずらさないことです。

 

 それが伝わると、自分とは違う人なんだと思い、なんでも話してくれるように

 なるのではないでしょうか。

                               

 

                                   秋保協便り第90号より

〇 商売繁盛 質問が大事(3)

 

  現状に違和感を持つという時はどんな時ですか?

 

 私でしたら患者さんが来ない暇なとき、このまま暇なんだろうとかと不安になる時。

 

 患者さんがなかなか良くならない時。

 

 相性の悪い患者さんを治療している時。

 

 などなど数えようとすればいくらでも出てきます。

 

 人間ってどうしてこんなにネガティブに思いたがるんでしょうね。

 

 しかし、ネガティブ思考が続くと泥沼にはいり込む危険がありますので、この負の感情力を

 ごまかさないで、「自分はいまこう思っているんだ」と素直に受け入れるべきです。

 

 原因はすべて自分にあるのですから「ではどうすればいいのか?」と自分に質問をするのです。

 

 私は頭が弱いので、紙に書くようにしています。

 頭の中で整理しようとすると、余計に質問の答えを難しく考えてしまう気がするからです。

 

 書き出した文字を見ていると、課題解決のためにできそうな事が見えてきます。

 

 「へば、なんとす」というのが私の質問力のキーワードです。

 

 皆さんの場合はどうですか?よかったら教えてください。

                           

                               

                                   秋保協便り第89号より

 商売繁盛  質問が大事(2)

  

 世の中に正解というものがあるようで実はないというのはご存知の通りです。

 

 治療にも正解というものはありませんよね。

 

 自分と家族の健康を守り、患者さんの体調不良の苦しみを軽くしていくことに貢献していく。

 

 これ以上を求めると何をどうしたらいいにかわからなくなっていくような気がします。

 

 しかし、治療家の性というものなんでしょうね。俺が、俺が、私が、私が、と治せる気持ちに

 なってしまうから怖いです。

 

 根本原因を正していかない限り患者さんの体を治すのは不可能です。

 

 楽にしてあげれば、どうせまた症状をくりかえすのだから、リピーターになってくれるなら

 やっぱり治療技術が一番大切でしょうというのも考え方です。

 

 つねに自分の考えにみずから質問し、患者さんにも質問を繰り返す。

 

 自分という治療家は患者さんとどんな関係が一番、性にあっているのかは質問されて

 気が付いていくもののような気がします。

 

 正解という答えに捉われない為にも、この質問力について深堀していきたいと思います。

 ご意見ご感想をおまちしております。

                                 

 

                                   秋保協便り第88号より

  商売繁盛  質問が大事(1)

 

  日ごろの治療において患者さんへの質問はどう考えていますか?

 

 ある床屋さんの例ですが、代替わりをし、いよいよ自分が4代目店主となり店を繁盛させようと

 意気込んでいました。 しかし、新規のお客ばかりに目がいっていたのか、常連客への対応に

 間違いを犯してしまったのです。

 

 特に床屋さんは「世間話」が話題の中心になります。ですから、話はついつい「うわさ話」向いて

 行ってしまいがちです。

 

 「あれ知っている?これしっている?」といった質問が多くなり、

 お客より自分の方が情報を多く持っている、というような雰囲気を知らず知らずのうちに

 作っていた事に気付かなかったのです。

 

 お客はリラックスしたいのに、ものを知らないバカ扱いされたと感じで、やがてその床屋に

 行かなくなりました。

 3代目が築きあげた大切なお客さんはみるみる減っていき、現在苦難の道を歩んでいます。

 

 質問は一歩間違えると命取りになります。

 

 患者さんも全く同じです。「どこが痛いんですか?」「どんな治療をしてきたのですか」

 「薬は?」といった質問は患者さんのためになっているでしょうか?

 

 このテーマは非常に重要です。

 今後数回に分けてこの質問力について皆さんと考えていきたいと思います。

 ご意見ご感想をお待ちしております。